食事とがん発生や予防には密接な関係が見られる。発がん物質を避け、がん予防物質を多く摂ればがんを予防できることになる。疫学的には3分の1くらいのがんは予防できると考えられ、日本のがん罹患数が70万人とすると20万人以上は予防できることになる。
野菜・果物などの機能性食品因子、フィトケミカルが抗酸化能やホルモン様作用によってがん予防効果を発揮する。渡邊氏はそれを機能栄養学の立場から総括し、古くからの薬膳との関係について報告する。
現在は食薬区分が厳格でいかなる効能も食品とされるものには記載することが許されていない。機能食品には「機能食品抽出物」「機能食品精製物」を含めることができ、ポジテイブリストのようにできればサプリメント開発に利用しやすくなるであろう。フィトケミカルは何千種類もあり、どれが生体の役にたち、どれが悪い作用をするのかまだ研究は緒についた段階である。がん患者はサプリメントに大金を投じる場合がよくあるが、本当に効果のあるサプリメントは何なのか、どのように判断するのか、ということを蒲原氏は報告する。
ビタミンCの抗酸化能はよく知られるが、それを大量に用いることによって抗がん作用も生じる臨床例が蓄積されてきている。川田氏は血液腫瘍細胞に対する高濃度ビタミンCの作用メカニズムを研究しHIF-1αのmRNA発現を発見して、下流のVEGFの発現も抑えることを発見した。これは腫瘍の新生血管の増生を抑えるものであり、食品因子の機能発現は多面的であることを示している。メカニズムがわかったサプリメントの一例としてご報告いただく。
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