統合医療には、狭義の統合医療である「医療モデル」と広義の統合医療である「社会モデル」がある。
「医療モデル」は、主として病院や診療所での、患者を中心とした疾病の治療が目的である。患者を中心とした、医療従事者の多職種連携による集学的チーム体制で多様な患者の疾病に対応しようとする狭義の統合医療である。
「社会モデル」は、主として日常の生活の場での、生活者を中心とした疾病予防や健康増進が目的である。地域住民を中心とした、地域コミュニティの多世代連携による多様な地域住民の生活の質(QOL)の向上を目指す広義の統合医療である。
狭義の統合医療である「医療モデル」と広義の統合医療である「社会モデル」は、互いに補完し合いながら、有機的な繋がりの中で機能し、患者でもあり生活者でもある地域住民の疾病への対応、生活の質(QOL)の向上、尊厳の保障、健康格差の是正、地域経済の活性化、地域コミュニティの創出に寄与することが期待されている。