2024年09月12日
第2回日本統合医療学会災害研修会
・開催趣旨
日本では、今後高い確率で発生が予測されている南海トラフ巨大地震や首都直下型地震、富士山噴火などの大規模災害による甚大な被害が危惧されています。また、超少子・高齢・人口減少・独身社会が日々進行している日本では、厚労省の提唱する地域共生社会が求められていますが、来たるべき大規模災害における防災・災害支援のマンパワー不足が懸念されています。災害を経験するたびに、日本の災害医療の守備範囲は変化しています。現在、日本の災害医療は、急性期医療だけでなく、震災関連死などの慢性期の災害関連死も含めた支援として、多職種連携で支える災害医療や多様者協働による災害支援が求められています。
一方、現在の日本の災害対策基本法や災害救助法などの災害対策関係法令では、都道府県レベルの被災した自治体に災害対策本部が設けられ、その下に医療や介護も含めた保健医療福祉調整本部が設置されます。さらに、都道府県レベルの被災した自治体の各地域医療圏を担当する保健所や市町村レベルの被災した基礎自治体に被災地の災害対策支部が設けられ、その下に保健医療福祉調整本部が設置されます。日本政府が定める災害支援の医療活動は、日本の医療に係る国家資格の免許取得者に限定されています。統合医療関係者で、日本の医療に係る国家資格の免許取得者でない伝統医療や相補・代替医療従事者は、伝統医療や相補・代替医療従事者として、日本政府が定める災害支援の医療活動に関わることはできないのが現状です。但し、統合医療関係者で、日本の医療に係る国家資格の免許取得者でない伝統医療や相補・代替医療従事者でも、保健医療福祉調整本部の調整員として、日本政府が定める災害支援の医療活動に関わることは可能ですが、調整員としての知識と経験が必要となります。
2024年8月8日には、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。来たるべき大規模災害に備えるには、統合医療関係者においても、自治体の地域住民として、最低限必要な防災や災害支援の知識やマナーを身に付けることが望まれます。それは、被災地となる自治体において、統合医療関係者各自が災害を生き抜くためでもあり、将来、統合医療関係者各自が、防災や災害医療の専門家との多職種連携や地域のさまざまな人々との多様者協働により、統合医療を利活用した災害支援が社会実装されるための素地を養うことに繋がります。また、災害支援は、被災していなくても、被災して災害を生き残っても、統合医療関係者各自の生活に余力がある際に出来ることです。
本研修会では、統合医療関係者が災害支援に関わる上で必要不可欠な、「統合医療関係者が災害支援に関わる前に認識すべきこと」や「災害対策本部とボランティアセンターの考え方の違い」、「災害時の保健所の役割」などを理解することを目的としています。
・プログラム
開催日時:2024年10月19日(土)13:00-15:00(120分)
参加費:無料(先着85名)
開催形式:ZOOMによるオンライン開催
演題①:「統合医療関係者が災害支援に関わる前に認識すべきこと」(仮)30分、質疑応答10分
演者①:小野直哉(日本統合医療学会災害委員会)
演題②:「災害対策本部とボランティアセンターの考え方の違い」(仮)30分、質疑応答10分
演者②:坂部昌明(日本統合医療学会災害委員会)
演題③:「災害時の保健所の役割」(仮)30分、質疑応答10分
演者③:和辻雄仁(防災士・京都府山城北保健所保健師)