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理事長メッセージ「統合医療センター筑波」

2009年03月31日

この15 年間、先ず、本学会が取り組んできた課題は、「相補・代替医療(CAM)」の向上と社会における「統合医療」への正しい認識の啓発であった。

その為に、学術研究とその教育を重ねる一方、政府への提案、マスメデイアへの情報提供などにも力を尽くしてきた。

その間、統合医療を推進するための学術連合の結成、超党派の議員連盟の発足、文化人・関連有力企業の会、さらに最近は市民の会が立ち上がって、まさに四位一体で、「統合医療を推進する体制」が整ってきたとも言えよう。

会員は2,000 名を超え、昨年度からは、統合医療学会「認定医」、「認定士」の資格制度も発足した。

高齢化社会の到来と、それに伴う医療費の増大を前に、世界の医療は、今や、「統合医療」の方向を突き進んでいるといっても決して過言ではない状況になってきている。

これまで研究と教育を中心に、「統合医療」を推進してきた本学会の目標に、新たな課題として、ここに、「臨床」すなわち、患者の診療に本格的に取り組む体制つくりを加えたい。

病の「予防」あるいは「治療」なくしては、「統合医療」の完成はないからである。

そこで、現在、沖縄や九州にて展開しつつある、統合医療を標榜する施設とネットワークを組むとともに、新しく臨床を推進するためのモデル施設として、下記の概要で「統合医療センター筑波」を立ち上げることになった。

対象は、「がんの統合医療と脳脊髄のMRI診断」である。

「癌治療」は、先ず、手術、放射線治療、抗がん剤投与などの近代西洋医学の治療の限界を超えた「末期がん患者」を対象としたい。

近代西洋医学に見放されて、ホスピスに行くしかない所謂“がん難民”の延命を考え、QOLを高めることこそ、統合医療が世にその存在を示す道ではないかと考える。

診断方法としては各種の腫瘍マーカーを含む、血液検査、胸部X 線、心電図、超音波エコー法、MRI などである。

治療法としては、高濃度ビタミンC 療法、温熱療法、中医薬、鍼灸、精神療法、(シータヒーリング)、温熱療法などを試みる。

先ず1 日コース、2 日コースを考え、患者の紹介受け入れも行い、紹介施設と連携を保ちつつ、全システムの管理は私、渥美和彦が担当する。

全国70 万人とも数えられるの末期癌患者の為に、志を同じくする医師、医療関係者が集い、“がん治療に統合医療の旗を立てる”ことに是非とも、ご協力を頂きたいと切に願う。



一般社団法人 日本統合医療学会

理事長 渥美 和彦

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